GLOSSARY

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システムコーチングに関する用語を解説します。

システム理論
システム理論では、「個人はプライベートや職場における人間関係などのより大きなシステムの中に生きる一つのシステムである」と見なします。ORSC(=システムコーチング)は、「システム(=関係性)を構成するメンバーや個別の要素とは異なる、システム(=関係性)そのものの実体や場が他とは区別される形で存在する」と考えます。
プロセスワーク
プロセス指向心理学は、物理学者・ユング派の心理分析家であるアーノルド・ミンデルによって開発され、ユング心理学、物理学、そしてタオイズムからの影響を受けて生まれました。プロセスワークでは、タオイズムのように、今起きていることをただ紐解いていきます。たとえ目の前に起きていることが何であれ、それは何かが展開しようとする始まりにすぎず、すべての出来事や状況の中にはもともと智慧が備わっていると考えます。プロセスワークの観点に立ちながら、システムコーチはシステム(=関係性)に「何が起ころうとしているのか?」と問い続け、起きていること自体に内在する智慧とその有効性を信じて見守ります。
ディープ・デモクラシー
(深層民主主義)
前述のアーノルド・ミンデルによって提唱された。正しく現実を表すには、あらゆる人のあらゆる声が必要だという考えを具体化したもの。世界は不十分にしか理解されていないと自覚していること。個人においては、自分の中にあるすべての声、感情、動きに心を開くことを意味する。全てとは、自分が既に知っていて自覚しているものだけでなく、恐れや、よく知らない要素も含んでいる。システムにおいては、すべてのメンバーからの意見が尊重されることを意味する。
ランズ・ワーク
複数のチーム/組織間において、それぞれの感情風土、文化、規範などが異なっていることはごく普通のことであるが、その違いを扱うことなく進んでいくことで行き違いや対立を生むケースも多くみられる。そのような場合に感情風土、文化、規範など内面の部分を「国」のメタファーを用いながら表現し、対話をすることで相互理解を促進するためのツール(ワーク)。
感情的知性(EQ)、社会的知性(SI)、
関係性システムの知性(RSI)
ダニエル・ゴールマンは、感情的知性(EQ)を個人の感情を経験する力、特定する力、そして上手に表現する力と定義し、さらに社会的知性(SI)を他者の感情を正確に読み、共感する力と定義しています。
そして、EQ(感情的知性)やSI(社会的知性)を超えるところに、関係性システムの知性(以下、RSI)の領域があります。RSIにおいては、意識の焦点が自分自身や個々人のメンバーから個人、さらにはパートナーシップやチームといった、関係性そのもの、つまり有機体としてのシステム(=関係性)へと移ります。
言い換えるならば、RSIとは、目には見えないシステム(=関係性)に何が起きているのか、何を感じているのか、そして、今ここにある場、空気感、雰囲気を感じ取って言葉にできる力、さらに、そのシステム(=関係性)に効果的に働きかけることができる力を意味します。
外的役割
外的役割とは、システム(=関係性)における目に見える、機能的側面の維持を目的とした表面的な役割です。例えば、家庭における外的役割には、料理、掃除、お金を稼ぐ、子どもの送迎などが含まれます。組織における外的役割は、社長、財務責任者、秘書といった職務として表れます。組織がうまく機能するためには、明確な外的役割(職務記述書や組織図)が欠かせません。
一方で、人と外的役割が同一化されたときに問題が生じます。例えば、幸子さんはいつも家族のために料理を作ってきたために、自他ともに、幸子さん=料理人となってしまう可能性があります。しかし、実際には料理を作るのは役割であって、幸子さん自身ではありません。
役割は、個人ではなく、システム(=関係性)に属する機能として捉えます。そのため役割は、システム(=関係性)の中の誰か別の人によって担われる可能性もあるのです。
システムコーチは、クライアントメンバーがその役割のシステム(=関係性)にとっての重要さを理解し、メンバーの間でその役割をどのように果たしていくかを話し合い、合意していくことを助けます。
内的役割
内的役割は、システム(=関係性)における目に見えない、感情的な側面を担う潜在的な役割です。私たちは内的役割について無自覚なことがよくあります。内的役割の背後には、大切な価値観が隠されています。例えば、新しい提案をする人、言いにくいことを言う憎まれ役、世話好きな養育者、愚痴の聞き役などです。このように、システム(=関係性)には内的役割が必要であり、システム(=関係性)を構成するあらゆる人が必要に応じてその役割を果たしています。
外的役割と同様に、人と内的役割が同一化されたときに問題が生じます。例えば、ある組織において、深刻な問題を提起するのはいつも山本さんだったとします。すると、他のメンバーは彼がいつもその役割を担うことを期待し始めます。システム(=関係性)は確かにこの「問題提起する人」という役割を必要としていますが、特定の人(山本さん)がそれを一手に担う必要はありません。もし、山本さんが組織を去ったとしたら、別の人がいつの間にかその役割を担うようになるでしょう。
システムコーチは、このようにシステム(=関係性)の中の様々な役割に気づき、そこに役割の固定からくる嫌悪感、混乱、新しい役割の必要性、満足に果たされていない役割などがあるかどうかに気づき、メンバーがより意識的に、自由自在に内的役割を分担できるように支援します。
神話の起源
すべての大切な人間関係には、たとえそれが私的であれ、仕事であれ、お互いのつながりにまつわる神話や物語があります。お互いが出会ったそもそものきっかけを思い出すことで、まるで深い井戸から水をくみ出すように、肯定的なエネルギーが蘇るのです。神話とは「その関係に内在する深遠な意味」を指します。夫婦や恋人であれば、二人の出会いの瞬間を思い出したり、チームメンバーであれば、その会社やこの職業で働こうと思ったきっかけを思い出すことができます。
これは、プライベートでも職場の人間関係であっても、肯定性を促進するために最も強力な方法の一つです。私たちは、そのシステム(=関係性)とのつながりの原点を思い出すことで、お互いへの尊重、親愛、賞賛を思い出します。また、多忙や過労が当たり前になっている組織であっても、その仕事を始めたきっかけとなる原点とつながることで、クライアントの心は豊かさをとりもどし、仕事への情熱も回復します。
3つの現実レベル
プロセスワークの創始者アーノルド・ミンデルによって提起された、物質がどのように量子レベルから日常の現実へと現れるのかを示したモデルのことです。私たちのあらゆる経験は、センシェント・エッセンス・レベル、もしくは量子レベルといわれる段階から始まります。それは、ドリーミング・レベル(夢のレベル)へと移り、最後に、形として認識できるコンセンサス・リアリティー・レベル(合意的現実レベル)として現れます。システム(=関係性)の中で起きることは全て、同時にこの三つの現実レベルで起きています。そのため、システムコーチは、それぞれのレベルにおいて、今何が起きているかを認識し、働きかけることが大切です。また、システム(=関係性)が成長を遂げるためには、全ての三つのレベルが意識的に経験される必要があります。
メタスキル
プロセスワークの創始者アーノルド・ミンデルのパートナー、エイミー・ミンデルの提唱した概念を指します。メタスキルとは、システムコーチングにおいて、スキルを超えてシステムコーチが持つ「場」に影響を与える感情的姿勢や哲学などのことです。私たちは意識的であろうとなかろうと、常に「場」に影響を与えているということを理解しておく必要があり、システムコーチは自分が生み出している「場」に意識的、かつ意図的になるためにメタスキルを用います。
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