世界の一部として、働きかける人へ。プロフェッショナル実践コースで始まる、ORSCの次のステージ
ORSCの応用シリーズを終えたあと、プロフェッショナル実践コースに進むタイミングは人それぞれです。修了直後に進む人もいれば、数年経ってから改めて考える人もいます。
9か月間の実践、100時間のORSCセッション、100万円を超える受講費。決して小さな選択ではありません。
では、その時間と費用をかけて実践コースに進むとは、どういうことなのでしょうか。
目次
1.学んだORSCを、現場で使える力へ
応用シリーズでは、ORSCのモデルやスキルを学び、実践演習を通してその使い方を体験していきます。
実践コースでは、そこからさらに一歩進みます。
大きく変わるのは、実際の関係性システムに働きかけ、その実践そのものを学びの材料にしていくことです。
現場では、シナリオ通りに物事が進むとは限りません。複数の声や利害があり、場も変化する。その中で、
実践する → 振り返る → フィードバックを受ける → 次の実践を変える
というサイクルを重ねていきます。
100時間は、単に経験時間を増やすためではなく、学んだORSCを、現場で使える力へ変えていく時間とも言えます。
そして、実践を通して探究するのは、コーチングスキルだけではありません。
ORSCでは、自分はどんな関係性に働きかけたいのか、そこで何を生み出したいのかという「ワールドワーク」も、実践の中で探究していきます。
実際のシステムに関わり、そこで起きることに触れ、仲間と実践を振り返る。そうした経験を重ねる中で、自分が心を動かされることと、システムから求められていることがつながり、ワールドワークも少しずつ輪郭を持っていきます。
自分の働きかけを、どんな世界につなげていきたいのか。
それを実践を通して探究していくことも、9か月の大切な学びの一つです。
学んだORSCを、実際の世界の中で生かしていく。
実践コースは、その段階への一歩でもあります。
2.何のために、ORSCを実践したいのか
プロフェッショナル実践コースは、9か月にわたって実際のクライアントと向き合い、ORSCCというプロフェッショナル資格を目指すコースです。
だからこそ、受講を考えるときに一度向き合っておきたいのが、
「なぜ今、自分はORSCを実践したいのか」
という問いです。
たとえば、
「あのチームにORSCで関わってみたい」
「仕事の中で起きている関係性の課題に、もっと力を持って関われるようになりたい」
「システムコーチングを、自分の仕事や活動の柱の一つにしたい」
理由は人それぞれでも、実践に時間とエネルギーを注ぐ自分なりの「なぜ」があることは、9か月を通して学び続ける軸になります。
ORSCCの松場俊夫さんは、応用修了時にはORSCを「使える自信がまったくなかった」と振り返っています。一方でスポーツへの強い関心があり、実践コースではスポーツチームへの支援をワールドワーク・プロジェクトに設定。実際に2チームを支援し、それまで感覚的に行っていたことがORSCのフレームで整理されていったと語っています。
実践を重ねることで、「自分はこの領域にもっと関わりたい」「こんな関係性に働きかけたい」と、その「なぜ」がさらに具体的になっていくこともあります。
なお、受講には、開始時点で最低2組、開始1か月以内に計4組以上のシステムコーチング・クライアントと契約関係を結べる見込みが必要です。
3.9か月の実践を、生活の中に置けるか
ORSCC取得に必要なセッション100時間を1年間で割ると、月約8.3時間、週平均では2時間弱です。
ただし、これはクライアントへのセッション時間だけ。実践コースには、マスタリーコール、メンターコーチング、スーパービジョン、セルフスタディなどもあります。日程調整や準備、振り返りの時間も必要です。
考えたいのは、
「100時間を空けられるか」より、「9か月〜1年間、実践と学びを生活の中に置けるか」
ということです。
すべてのプログラムが100%出席必須ではなく、たとえばマスタリーコール+チームメンターコーチングは全21回中17回など、一定の欠席余地も設定されています。
受講を考え始めたら、次期コースの日程を一度、自分のカレンダーに重ねてみるのも一つの方法です。
「9か月」という言葉だけで考えるより、仕事の繁忙期や家庭の予定と照らすと、現実的に判断しやすくなります。
4.今、この時間と費用を投資する意味はあるか
現在の通常受講料は1,265,000円(税込)。条件を満たす早割は1,150,000円(税込)です。
決して小さな投資ではありません。
だからこそ、
「価値のあるコースか」だけでなく、「自分はこの9か月と費用を何のために使いたいのか」
を考えておきたいところです。
ORSCC(Organization and Relationship Systems Certified Coach)は、CRR Globalが認定する「組織と関係性のためのシステムコーチ」の資格です。
そして、100時間を実践すれば自動的に取得できる資格ではありません。個人メンターコーチング全5回のうち、上位3回の平均が10点満点中6.0点以上であることも取得要件です。
つまり、時間を積み上げるだけでなく、自分の実践を見てもらい、磨き、プロフェッショナルなシステムコーチとして一定の水準を目指すプロセスです。
さらにORSCの全トレーニングは、ICFのLevel 2とAATCの両方の認定を受けています。ORSCCだけでなく、将来PCCやチームコーチング資格ACTCを目指す際の教育ルートにもつながっています。
今すぐその先の資格取得を考えていなくても、この学びを、この先どんな実践や専門性につなげたいかまで考えてみると、投資の意味も見えやすくなります。
「受講するか」を決める前に、3つだけ
実践コースが気になっているなら、まずこの3つを具体化してみてください。
- なぜ今、ORSCを実践したいのかを一文にしてみる
- その思いを持って関わってみたい関係性やシステムを2つ思い浮かべる
- 次期コースの日程を、自分のカレンダーに重ねてみる
言葉にしてみたとき、「今、ここに取り組みたい」と思えるか。
プロフェッショナル実践コースは、ただシステムコーチが上達する場所ではありません。
学んだORSCを実際のシステムで使い、その実践を磨きながら、自分の働きかけをどんな世界につなげていきたいのかも探究していく9か月。
世界の一部として、自分はどんな働きかけをしていきたいのか。
その問いを持って実践へ踏み出すことが、次のステージの始まりなのだと思います。