この部の問題の縮図が「3人の関係性」の中にあることが明らかに〈中編〉横河電機株式会社
会社や自部門での関係性に対して“もったいない”と感じていたことからシステムコーチングを受けた方々がいます。横河電機株式会社マーケティング本部 事業開発センター エクスペリエンスデザイン部の部長・髙野直人さん、シニアエキスパートの古谷利器さん、伊原木正裕さんの3人です。
>>前編:システムコーチングを通じて「チーム」という概念になった
仲が悪いわけでも、特に大きな問題があるわけではないと思っていた皆さんがシステムコーチングを受けて、明らかになったことがありました。
【中編】この部の問題の縮図が「3人の関係性」の中にあることが明らかに
チームで問題にあたるという考え方が自分たちの中にはなかった
――皆さんは「この3人」のシステムや「エクスぺリエンスデザイン部」というシステムをこれまでどのように見ていたのですか?
伊原木さん:システムコーチングの初回で、コーチの村松さんから「皆さんは、チームとして問題にあたることについてどう思っていますか?」と言われたことが衝撃でした。実は、チームで問題にあたるという考え方が自分たちの中にはなかったんです。部長はちゃんといるし、それぞれ役割を果たしているし、割り振って責任ある仕事をしているし。一つのチームという考え方で何かを捉えたことはありませんでした。
髙野さん:伊原木さんが言ったように、自分のセグメント、ラインというものがある程度決まっていて、そこが不可侵な状態というか。お互いにそれぞれがアウトプットを出せば、それが組織としてのアウトプットになっていくという、単純な足し算だと思っていたんです。実は、そこには“バトンゾーン”のようなオーバーラップするところがなくて、一緒に走るみたいな感じで。そのバトンを渡していくことが、この3人の中ではどうだったのだろうというところは、システムコーチングが始まってすぐに気づいたところです。
古谷さん:関係性がすごく悪いということはもちろんありませんが、部長として1on1をやっていた時に、皆さんいろいろ話してくれていると思っていたのですが、髙野さんや他の人から「〇〇さんがこんなことを言っていたよ」と言われることがあって。「聞いていないな」と思うことがありました。
また、「これ以上先は、マネージャーで決めてください」とか、「これについては、マネージャーのほうで判断してください」と言われることもありました。境界線を引かれるところは課題だと思いましたね。
さらに言えば、この3人の中でも本音を言っていないのではないかと思うことがありました。自分自身は何でも話しているつもりですが、自分の感情については話していないんですね。これは、コーチングを受けている時もよく言っていたのですが、自分の感情について発言するのは自分自身あまり良くないことだという思いがあって。そういう発言は無意識のうちに閉じ込めていたところがありました。こうしたいろいろな面から課題は感じていました。
伊原木さん:今、古谷さんが言ったように、メンバーとマネージャーという対立構造の中では問題を感じていました。そういう風に区別されてしまうのか、こちらはフランクに言っているつもりだけど、向こうからはそう捉えられていないのだなと。そういう意識だったので、マネージャー3人の間で問題があるという感覚は、コーチングを受けるまで実は持っていませんでした。「この部をどうしようか」ということが問題だと3人ともずっと思っていて。その縮図がこの「3人の関係性」の中にあるとは考えていませんでした。そこは、今回のコーチングでようやく明らかになりました。
髙野さん:私からすると、このお二人は先輩。先輩という考え方そのものが違うよという話もあるかもしれませんが。話をする時も、何か固めてから話をしないといけない、自分が部長というバトンを引き継いでからは自分が決定しなければいけないと思ったり。そういう妙な責任感みたいなものがありました。
そんなこともあり、お二人との関係を築く上でも、すごくドライというか、難しさを感じていました。先ほど、メンバーとマネージャーとの関係性の中にすごくギャップがあるような話がありましたが、この3人の中でも、私とお二人というのは、自分自身がギャップを築いてしまっていることに対してすごく課題を感じていました。
――【後編】では、システムコーチングを受けて、どのような変化や変容があったのかについて聞いていきます。(ORSCCのライター:大八木智子)
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