【中編】勇気や気づきをもたらした システムコーチング の学び

勇気や気づきをもたらしたシステムコーチングの学び

「働きがいのある職場づくり」の実現に向けてシステムコーチングを活用
/ アストラゼネカ株式会社

【前編】共通の目的を達成するために、「Vision 2025」という戦略を展開
【中編】勇気や気づきをもたらしたシステムコーチングの学び(今この記事を読んでいます)
【後編】アルケミーへの参加で、最強のパートナー&最強のサポーターに変化

こちらのシリーズでは、システムコーチングを社内で活用されているアストラゼネカ株式会社の人事本部長である奥村由香さんと、人事本部・I&D推進室及び組織開発リードの瀧口美穂さんにお話を伺いました。システムコーチングを学ぼうと思ったきっかけや、職場での事例も紹介します。

奥村由香さん 瀧口美穂さん

【中編】勇気や気づきをもたらしたシステムコーチングの学び

前職で会社を変革推進する立場にいた時にORSCCの資格を取得

――システムコーチングの話が出ましたが、システムコーチングを学ぼうと思われたのは、どのようなきっかけがあったのですか?

奥村さん:私はアストラゼネカに入社して1年ちょっとなのですが、前職で会社を変革推進する立場にいたので、その時に学びました。チェンジマネジメントをしていく中で組織開発が重要だとずっと言われてきたのですが、自分の中で組織開発が何のことかわかりませんでした。というのも組織開発はものすごく幅が広いので、その言葉が本当に意味するところをよく咀嚼できなかったんですね。

ここから積極的に学ばなければと思い、まずはパーソナルコーチングを学び、その後にシステムコーチングを学んで、ORSCC(Organization & Relationship Systems Certified Coach)の資格を取得しました。

――システムコーチングを学んでみて、どんな印象がありますか?

自分の道具として備わっていれば、現場にどうアプローチすれば良いかわかる

奥村さん:組織開発の現場に立つ時に、こういうツールやナレッジがあると勇気が出るのだと驚きました。組織開発やチームビルディングをする時に、どこからどうアプローチして良いか分からなかったのですが、こういうものが自分の道具として備わっていれば、どう現場にアプローチしていくのかがわかったので、嬉しい驚きでした。

システム

――同じ質問を瀧口さんにもしたいのですが、システムコーチングに出会ったきっかけを教えてもらえますか?

システムコーチングがつないだ運命的な話

瀧口さん:システムコーチングを知ったのは1年以上前です。知り合いに「組織開発をもっとやりたい」と話をした時に、チームコーチングというものがあると教わり、調べていくうちにシステムコーチングのことを知りました。

ここからが私としては運命的な話なのですが、2020年12月に奥村さんが入社され、1回目か2回目の面談で、どんなことをやりたいと思っているか聞かれたんです。その時に「今、システムコーチングというものに興味があります」というお話をしたら、奥村さんが「私はシステムコーチングのプロフェッショナル実践コースまで終わっています。すごく良いと思います」と言われて。それでシステムコーチングの基礎・応用コースへ行くことに決めました。

――それは、驚きの展開ですね。コースに参加したことで、どのような気づきや学びがありましたか?

コミュニケーションの仕方や自分の考え方にも影響

2021年の夏に応用コースを修了したのですが、個人的にはとても辛い旅でした。システムコーチングを学んでいるのですが、とにかく自分を見つめなくてはいけなくて。自分の嫌なところを内省しては自己嫌悪に陥っていましたが、それをきちんと強みとして受け入れる自分でないと、自己否定になってしまうと思いました。

自分を受け入れる

それに加えて、これまでずっと人にどう思われるかを気にする人生を歩んできたことに気づきました。そこは今もありますが、ずい分少なくなってきたと思います。システムコーチングを学んだことで、コミュニケーションの仕方や自分の考え方にもすごく影響がありました。私にとっては“スキルジャーニー”であり、“パーソナルジャーニー”でもありました。

――その後、お二人は学んだシステムコーチングを職場でどのように活用していますか?

「個別にニーズがあるところ」から始めていくアプローチ

奥村さん:「個別にニーズがあるところ」から始めていくアプローチを取っています。チームとして変化を迎えているとか、チームを良くしたいというモチベーションあるところに寄り添うような形で、その方たちのチームや組織のニーズを実現化するお手伝いをする立ち位置で、システムコーチングを使っています


例えば、「今度新しいリーダーが社外から着任したので、そのリーダーがそのチームに馴染むようにチームコーチングをしよう」という名目でシステムコーチングを使いながら組織開発をすることもあれば、「うちのチームはギクシャクしていてうまくいかないので、リーダーが困っている」と言うのを聞いて、「私たちヘルプできますよ」と声をかけて、システムコーチングのツールやコンセプトを使いながら、彼らの言うところの「チームビルディング」をオーダーメイドという形で一緒にやることもあります。

チームビルディング

そういう話を沢山見つけて来て、ボトムアップでどんどんやりながら、「これは良かった」ということになれば、口コミで広がると思っています。「人事が面白いことを一緒にやってくれて、良い感じになってきたよ」という話が伝わって行ったら、もう少し大規模にやることができるかなと思っています。今は口コミを探して、社内営業活動をして、実践事例を作るという段階にあります。

――オーダーメイドで行うというお話でしたが、システムコーチングを使った事例について1つ聞かせていただけますか?

<事例>「関係性」の中にある声を認識する

瀧口さん:あるチームに新しいリーダーが着任した時、リーダーも含めた10名のチームにチームビルディングという形で行いました。当初は4回シリーズで考えていたのですが、リーダーと相談して5回シリーズになりました。まず、別のツールで自己認識を高めたり、他者理解を行なった後、システムコーチングを使って、関係性を深めていきました。具体的には、今の関係性を絵で表したり。自分たちがなりたい最高の姿を描く「ハイドリーム」や、こうなったら最悪という「ロードリーム」について対話しながら、自分たちの未来を描いてもらいました。

さらに、周りの人が知っている肩書や役割などの「外的役割」と、関係性における目に見えない感情的な側面を担う「内的役割」にはどんなものがあるかを話したり、体を使って表現したりしました。

――役割の話が出ましたが、このチームにはどんな「内的役割」があったのですか?

瀧口さん:例えば、いつも人のことを心配して「大丈夫かな」と見守っている役割の人や、「それはどうなの」とチャレンジをする役割など、様々な役割が出てきました。

奥村さん:中には「内的役割って?」と戸惑っている人もいましたが、弾けているように見える人もいましたね。

システムの声

先程「ハイドリーム」「ロードリーム」について対話をしたという話が出ましたが、自分たちが望む「ハイドリーム」へ向かって自ら動くのか、その意志を確認するようなワークを体を使って行いました。すぐにハイドリームへ動く人もいれば、最後まで動かない人もいました。これは良い悪いではなくて、この関係性の中にそういう「声がある」という状態が認識されたということです。その後、そのチームがなりたい姿に向けてのアクションプランを考えたのですが、いろいろな課題が出てきました。

――【後編】では、システムコーチングのセッションをしていく上での苦労や喜び、今後の展望について聞いていきます。

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