【後編】ありとあらゆる家族のあり方を応援したいORSCC 柴田純治さん&土屋志帆さん

【前編】では、純治さんと志帆さんがお二人で取り組んでいる「ワールドワークプロジェクト」についてご紹介しました。【後編】では、お二人がORSCを学んでどんな変化があったのか、今後どのようなことに取り組んでいくかについて触れていきます。

なぜ自分が離婚をしたかわかった

志帆さん:2016年に結婚したのですが、その年の春からORSCの実践コースが始まりました。ORSCを学んでみて、なぜ自分が離婚したのかわかったんです。ORSCには「関係性の4毒素」(※)という考え方があるのですが、元夫は「防御」、私は「非難」のパターンがあり、対話が難しくなっていました。私は「自分が正しい」と思うところがあって、相手の影響を受け入れるとか、相手は本当は何を望んでいるだろうというところから聴く姿勢を持っていなかったことに気づきました。

人間関係を壊す毒素には「非難」「防御」「侮辱」「無視・逃避」の4つがあるという、ジョン・ゴットマン博士が提唱した考え方

純治さん:僕がORSCを学び始めたのは志帆のもう少し後で2019年の秋頃、最初は「会社の変化」がきっかけでした。当社は、ザ・ITの開発企業、軍隊みたいな感じだったんです。そこから一気に方向転換して自律自走する組織を目指す中で、社内でコーチングチームを立ち上げました。そこにORSCの視点があると良いと思い、費用は会社に出してもらい基礎コースへ行きました。

そこで協働関係のための「アライメント・コーチング」というものを学んで、そのコーチングを、よく喧嘩をしている志帆と息子にやってみたんです。そうしたらその瞬間から志帆と息子の関係性がちょっと変わった感覚があって。2人から「聴いてくれて、ありがとう!」と感謝されました。そこから、「ああ、ORSCやろう」「会社のためではなくて、自分のためにやろう」と思い、応用コースから自腹で行き始めました。

その頃、志帆は1人でパートナーシップに対するコーチングをしていましたが、何がその場で行われていたんだろうと思う位、部屋から出てくるとくったくたになっている姿が衝撃的で。志帆は本当に場の間に立つことを仕事にしているんだと思った時に、「僕もその世界を知りたい。一緒に立ってみよう」という気持ちが沸き起こりました

志帆さん:その時のことは今でも覚えています。私がシビアな状況にあるシステムに寄り添ってシステムコーチングを終え、部屋から出てきた時に、じゅんちゃんが「一緒に場に立とう」って言ってくれたんです。2人で2人の夫婦に関わるって、ちょっとToo Muchというか、予算が合わないというのもあったのですが、やってみようと思いました。2人で場に立ってみたら、すごく楽で。今まで全部ひとりでやろうと思っていたので、やればやるほど私たちの関係性もエネルギーをもらえることがわかり、2人でパートナーシップに関わるスタイルにしました。

テーマは、ステップファミリーと親子

志帆さん: 私は実践コースで取り組むワールドワークプロジェクトで、血のつながらない家族をどう作っていくかという、「ステップファミリーを応援する」テーマを選びました。まさに自分自身が血のつながらない家族をどう作っていくかというプロセスを経験しながら、ステップファミリーになろうとしているご夫婦やご家庭を支援し始めました。

純治さん:僕のワールドワークプロジェクトのテーマは「親子」でした。どうしても志帆と息子との距離感が近く、その関係が太いからこそ、僕は息子との関係が悩ましくて。僕と志帆が近づけば近づくほど、彼にフラストレーションが溜まるというのを何年も見てきました。僕自身は自分の親との関係に対立があったわけではないのですが、希薄な何かをずっと感じていたというのもあって、このテーマを選びました。

今はこれらのテーマが統合して、「ありとあらゆる家族のあり方を応援する」という2人のワールドワークプロジェクトになっています。

お金や性など世の中のタブーに踏み込む

純治さん:今後についてですが、今一番熱いところは、世の中にあふれている強い思い込みやタブーなどに踏み込むことです。それこそ、夫婦やパートナーシップを扱っていたら絶対にアジェンダに挙がるけれど、人様に話すことが少ない「お金」「セックス(性)」「子ども」(子どもを持つか持たないか、不妊治療など)のことです。

志帆さん:あと「死」を扱うこと。お葬式とか家族をどう看取るのか、自分たちの死とか。家族だと必ずどこかで話す時が来るけれども、向き合いにくいテーマですよね。

純治さん:もしかすると「介護」も。そういう扱いづらい、あまり外には言わないタブー系のことにも踏み込んでいけたらと思っています。

志帆さん:今やり始めた活動で、今後もっとやっていきたいなと思っているのは、「夫婦やパートナーシップに向き合うシステムコーチ達との対話の場」です。月1回ベースで設けています。

まだマーケットが大きくないかもしれないけれど、思いを持った方々が少しずつ増えてきている実感があるので、もっと智慧をシェアしあいながら、みんなで広げていきたいなと思っています。

「夫婦更新制」で夫婦を創り続ける

志帆さん:最後に、お伝えしそびれていたのですが、私たち「夫婦更新制」なんです。夫婦は当たり前のようにあり続けるものではなく、創り続けていくものという前提で、DTA(Designed Team Alliance、チームとしての決め事)をし続けています。今年も一緒にいたいと思える関係性でいたいなと思っています。

純治さん:僕は元々、誰かと結婚するつもりがないと思っていた人生だったし、志帆も離婚してから結婚するつもりはなく、「再婚はリスクだ」と思っていたようです。そういう人たちがたまたま出会って、「パートナーシップってすごくない?」ということを知って。これがいつまで続くかわからないけれども、関係性がうまくいったのは、相手が志帆だったからというのがあります。

こんなにズドンと愛を持って、“みぞおちを殴ってくれる人” はいなくて。志帆の言葉で言うと「踏み込む」なんですが、僕の言葉で言うと、みぞおちを殴ってくれる人。絶対あきらめないあり方を示してくれる、一番身近くにいていろいろ教えてくれるラーニングバディです。

志帆さん:じゅんちゃんは、子犬みたいな人です。毛むくじゃららで、すぐお腹を見せるというか。警戒心がないところが良いところだと思っていて。素直だし、計算高くなくて、思ったことをそのまま言うし、カッコ悪いところも出しちゃう。だからこそ、じゅんちゃんといると“ええカッコしいな自分”が出せない。降参できる人生にさせてもらったと思っています。


▼Co-leaders
https://www.co-leaders.co.jp/

▼システムコーチとして生きる人々(土屋志帆さん)

▼「アジャイル」な組織運営とORSCの親和性(ゆめみ)

【編集後記】

「人は付き合う時は“共通点”を探して一緒になるけれども、別れる時は“違うところ”を探して別れる。でも、その違いを楽しめたら長続きするんだろうな」という話にハッとしました。結婚8年目を迎えてもなお新婚な感じがあるのは、「夫婦更新制」だからかもしれません。人生をコーリードするお二人のこれからが、ますます楽しみです!

(ORSCCのライター:大八木智子)