日本人はシステムを本質的に理解している ――『関係性を生きる』著者からのメッセージ

relationship matters event video message ftom Marita and Faith

2025年2月8日、都内某所(九段会館テラス)にて。

システムコーチングの創始者であるフェイス・フラーによる著書『関係性を生きる RELATIONSHIP MATTERS』日本語版出版を記念して、イベントが開催されました。全国各地から100名近い参加者が集まり、会場は温かな熱気に包まれました。

当日は、ORSCC(システムコーチング資格取得者)をはじめ、現在コースを受講中の方や、過去に受講した方々が集い、まるで同窓会のように会話が弾む場面が多く見られました。

さらに今回は、システムコーチング未経験の方々も、紹介者を通じて約20名が参加。言葉だけでなく、ワークや場の雰囲気から「システムコーチングとは何か」を体感していただける貴重な機会となりました。

イベントの冒頭では、日本での出版とこの日の開催を喜ぶフェイスと、同じくシステムコーチングの創始者であり、日常生活でもフェイスのパートナーであるマリタ・フリッジョンから、ビデオメッセージが届けられました。参加者の多くが静かに耳を傾け、その言葉に心を寄せている様子が印象的でした。

本記事では、フェイスとマリタがそのメッセージの中で語った内容を、日本語でご紹介します。

マリタ
今日はフェイスと一緒に、彼女の本と、日本で出版される素晴らしい翻訳本についてお話しできることをとても嬉しく思っています。

フェイス
著書『Relationship Matters(関係性を生きる)』が今まさに日本で出版されることにとてもワクワクしています。そして、この本について少しでもお話しできることを光栄に思います。

この本では私が主に語り手となっていますが、これはマリタと私の第三の存在が33年間にわたって築き上げてきたものから生まれた本です。

この本は、私たちがコーチやコンサルタントとして、また家族や仕事のパートナーシップなどにおいて大切だと考えていることとともに、皆さんに本そのものと、それが示す道についてお伝えできる最後の機会になるかもしれないという思いから生まれました。

マリタ
この本は、日常を生きるすべての人のための本です。
フェイスがその考えをしっかりと捉え、最後まで貫き通してくれたことをとても嬉しく思います。

私のこれまでの書籍はトレーニングやビジネスに重点を置いていましたが、
この本は、一般の人々のためのものであり、すでに多くの反響を呼んでいると感じています。

私たちが本当に働きかけるべきは、まさに普通の、すべての人々だからです。

フェイス:
この本の『Relationship Matters(関係性を生きる)』というタイトルの通り、私たちは関係性を最も重要な絆だと考えています

関係性を研究する者として、またORSCを実践する者として、関係性こそがあらゆるものの基盤であると確信しています。
それが銀河同士の関係であれ、分子の関係であれ、人々や組織、政府の関係であれ、関係性は常に最も重要な注目すべき焦点となります。

私たちは、人類の進化が、お互いに良い関係を築く方法について、特に今の時代においてもっと学び、理解する必要があると感じています。
また、今の時代において地球との良い関係を築く方法についても、学ぶ必要があると考えています。

これは、私たちがどのように進化していくかについて書かれた本です。
それは人類にとっての最終的な発展の領域(フロンティア)です。

私たち人間として、この本には少しモデルが紹介されていますが、この本のインスピレーション、あるいはビジョンは、実際には「関係性を通じた進化」にあります。

そして、これを達成するために歩む道は、関係性システムの知性の道です。
この本では、その概念を「関係性の勇者」と呼ばれるものに広げています。

「関係性の勇者」とは、この本と私たちの人生の目標である「正しい関係性」を実現するために、実生活でどのように実践するかというスキルについてです。
関係性が持つ複雑さや謎めいた部分も含めて。

マリタ
この本で私が特に印象に残った部分は、フェイスが「自分自身との関係性」「他者との関係性」「より大きな全体との関係性」そして「日常生活の中での関係性」に焦点を当てていることです。

この本は「私」だけではなく、「私たち」や「より大きな全体」についても扱っているということです。そして、この本にはたくさんの具体例が紹介されています。

フェイス:
そう。この本には、私たちが失敗した事例や、そこからどのように立ち直ったかがたくさん詰まっています。
また、私たち自身の関係性がどのようにこの仕事に影響を与えてきたのかについての興味深いエピソードも紹介されています。

私たちが最も誇りに思っていることの一つは、この本が楽しいものになっていることです。
皆さんにもそう感じてもらえたら嬉しいです。

また、この本は、より良いリーダーになりたい人、親として成長したい人、職場での人間関係を向上させたい人、より良い社会の一員になりたい人に向けて、実践的な方法や理論的なアプローチを提供する内容になっています。

マリタ
実践的な方法や理論的なアプローチだけでなく、実際に経験してきたことや目にしてきた具体的な事例も紹介しています。

私のお気に入りの言葉のひとつに、「家族こそが最後の試験である」というものがあります。

誰かをコーチするのは比較的簡単なことです。
しかし、自分の言葉を実践し、この学びを自分の家庭や家族、友人との関係で生かすことは、また別の難しさがあります

本書は、まさにその部分にも焦点を当てています。

フェイス:
ありがとう、その通りだね。
私自身の想いとしても、そして私たち二人の想いとしても、この本が日本語に翻訳されることに深く感動しています。

日本には常に特別な親しみを感じてきました
そして、日本の皆さんは私たちにとって最も優れた受講者の一つだと考えています。

それは、日本の方々がシステムに対する本質的な理解を持っているからだと思います。
「私自身」のシステム、そして「私たち」というコミュニティでどのようにあるか、さらにそれをどのように拡大して良い国家や良い世界を築くか、ということへの理解です。

翻訳チーム、特に森川有理さんに感謝したいと思いますが、この本を日本語の表現に合わせて翻訳するために尽力してくれた全てのチームにも感謝します。
日本語訳が出版されると聞いてとても嬉しいです。楽しんでいただけることを願っています。

マリタ
改めて、日本のチームの皆さんに感謝をお伝えします。

また、関係性の重要性について話しているのはフェイスや私たちだけではなく、今では物理学においても、実際に存在するのは物事や人々の間の関係性だけだという証拠や発見があることもお伝えしたいと思います。関係性こそが、この世界の本質なのです。

ぜひ、本を通じてその重要性を深めていただければと思います。フェイス、この本を書き上げてくれて本当にありがとう。そして、サポートしてくれたケイティ・チャーチマンにも感謝します。
そして、これを実現してくれた日本に感謝します。本当にありがとうございます。