繋がることを恐れた先に見つけた、たった一人の自分と無数の繋がり最後は、私の社長をゲストに深掘りします

最終回のゲストは・・・

ゆいぽん:シリーズ『システムコーチとして生きる人々』。システムコーチであるCRR Global Japanのトレーナーの皆さんをお呼びして「社会人3年目から素朴な疑問ぶつける」という企画で、私がその社会人3年目・・・あと3日も経てば4年目に入ってしまいますが、企画を立ち上げた人です。

今日は最終回ということで、原田直和さんをゲストにお迎えしました。

なおさんはCRR Global Japanのトレーナーであり、またHeart of the Earthという会社の代表取締役であり、私がそこの社員である。つまり私たちは、社長と社員という関係性です。

ということで、今日はシステムコーチとして生きるなおさんに焦点を当てていきます。

テーマは「孤独とともに自分と生きる」です。よろしくお願いします。

なおさん:  よろしくお願いします。このテーマ、よくつけたなって思っちゃいますけど(笑)。


「孤独とともに自分と生きる」

ゆいぽん:なぜこのテーマに決めたのか、皆さんにお話しますね。

私にとってなおさんは、Heart of the Earthの社長のなおさんであり、CRRファカルティーのなおさんでもあって。 それ以外にもいろんな面を持っているのをすごくよく知り、かつその違いにけっこう驚かされてきました。

場所や状況が変わると、さっきまでと全然違う顔で人との関係性を作りに行ったり、その場を整えに行ったりするのを見てきて。

あ、スイッチがそっちに入ったなって。今もその違いにすでににやけてしまって、

「あ、そっちにいますね」って言いたくなってる自分がいるんですけども。

そんななおさんに、「そんなに幅がある中で・・・その中心には何があるんですか」って聞いたところ、「真ん中には孤独がある」って答えたんですよね。

「 システムコーチとして生きる人々」という企画なので、パートナーや家族、チーム、社会との繋がりにフォーカスすることが多いこの企画だったんですが。

「自分の中には自分しかいない」っていう。そんなことをテーマにして話すのは、実はまだ扱ったことがない領域なので。ぜひそこについて聞かせてくださいと言いまして。

なおさん: 実はこれ、僕も初めて話すテーマなので、どこまで話せるかなってドキドキなんですけど。基本聞かれたらなんでもオープンに話す人なので、できるだけいろいろ話せたらいいなと思ってますし、ここに参加してくれているみなさんのお役に立てたらいいかなと思っています。

ゆいぽん:  そうですね。イベント参加者も「”孤独”というキーワードが気になりました」ってコメントをくださる方もすごく多かったので。ぜひ、そんなところも一緒にどんどん深掘りしていけたらいいな、そしていろんななおさんが出せたらいいなと思って、関わっていきたいです。

なおさん:  恥ずかしいね。

ゆいぽん:  なんか、(なおさんの)こんな感じは普段見ないので、まず私から見ると新鮮ですっていう(笑)。

軽く私たちの自己紹介から始めて、 なおさんの中にどんな人がいるのか、なんて話から入っていけたらいいんじゃないかなって思っています。


いろんな役割を担っているなおさん

なおさん:僕は、CRR Global Japanでシステムコーチングっていう、2人以上の関係性をコーチングしていく、それができるようになるような人(システムコーチ)を育てるというトレーナーの役割を主にやらせていただいています。あと13人の共同代表の調整役みたいな役割、また営業や法人関係の窓口などの役割や、プロモーション・マーケティングの責任も担っています。

CRR Global JapanがWebマーケティングに関わる案件を発注する時に、受け手になる会社の一つがHeart of the Earthになっていて、ゆいぽんと一緒にブランディングやイベント運営などのサポートをやらせていただいてます。

ゆいぽん: 他にも「いろんな自分」がいるんでしょうか。

なおさん: あー、いっぱいいますよね。

Heart of the Earthでいくと、CRR以外の会社にもマーケティングのサポートをさせていただいたりしています。例えば、大学生向けのビジネスプログラムで「武者修行プログラム」というコンテンツを提供している会社の経営企画のマネージャーとして、マーケティング、セールスを見ています。またその中ではチームコーチ、ファシリテーターもしています。

「気を遣わない人」、やります!

ゆいぽん: なおさんがいろんな関係性の中に入っていくのを見ていると、相手にとっての心地よい距離感を常に探っているのを感じます。それって昔からそうなんですか?

なおさん: 基本は成人になって身に着けたものかなって思うよ。

特に前職、製薬会社で営業をやっていた時は、どんな医療関係者ともある程度関係性を築く必要性があり、いろんな経験をいっぱいするなかで、自分の立ち位置を見つけていくために身につけたって感じかなって思います。

ゆいぽん: 関係性によって違う立ち位置を見つけていくってことですよね。

なおさん:  そうだね。例えば入社当時はお医者さんと一緒に食事や会合をしたりすることが頻繁にあったんだけど、営業マンだと職業柄「気を遣う人」っていう役割になることが多いんだよ。

公式な場であれば粗相がないようにとか、できるだけ目立たないようにお酒を入れとくとか。

ただ、気を遣われると話し難い時ってありますよね。同時に話を聞いて欲しいなとか、もう少し距離感が近づいてほしいなと思う時もありますよね。

そんな時はお医者さんに向かって、あえて「今日は気を遣わない人、やりますね!」って言って。最初にビールを注ぐ時や注文する時も「最初の1杯だけですよ」って言って注いで、「この後は気を遣わないように気を遣いますから。どうぞ、勝手に飲んでください(笑)」って。

そうすると、だんだん会話が弾んだりしてきて、そんな風に、場面に応じて態度や役割をいろいろ変えて距離感を作っていたことがきっかけですね。

ゆいぽん:  でもいろんな場面で自分が変わったら、「私はなんなんだろう」っていうのが出てこないですか?

なおさん: すげー悩んだ時期あるね、それ。

ゆいぽん: 「私って何者?」みたいな、そういう漠然とした問いって誰しもが一度は通る気がしますが。でもなおさんはいろんな場面で出る自分が違うからこそ、その問いが強かったんじゃないかなと。

自分の感情がよく分からなくなっていった

なおさん:そうね。もともとは僕、 子供の時から超オープンなんですよ。誰とでも分け隔てない人だったんです。

うちの実家は田舎の温泉街で旅館をやってたんですね。山、川、田んぼなどの自然に囲まれていて、その自然と街中が僕の家だと思っていたんです。あんまり家族と近所の境目がなかったっていうか。。。

ただそんな状況も小学校高学年から中学生ぐらいにかけて変わってきて。感情が上手くコントロールできなくて、気がついたらカッてなってキレやすくなったりして。

ゆいぽん:  それって、なおさんの中でどんな役割を持ってたんですか。すぐカッとなる自分は。

なおさん: どんな役割でそれになってた・・か。難しい質問するね。

それを言われると・・・今になって思えば、父親が小5の時に他界したんだけど、その頃から感情がうまく表現できなくなり始めたんですよね。。。たぶん色んなところですごく感情を溜め始めていたんだと思います。

今、チャットのコメントで書いてくれてますけど、そう、その時はまさに悲しかったんだと思うんですよ。その当時、父親がいなくなったことがすごく悲しかったけど泣けなかったんです。

実は父親の他界後から、本格的にコーチングを学び始めた36歳ぐらいまで、涙流したことがほとんどなくて。悲しいって感覚がよくわからなかったんです。

もうなんかね、感情がなくなっちゃったっていうか。でも、時折抑えきれなくて怒りが爆発しちゃうみたいなのが何度もあって。。。

自分自身の感情がよくわかんなくなっちゃったんだろうね。。。

だから、表面的に作る役割だけで自分を演じていくから、それこそ自分が何者か、どれが本当の自分かよくわかんなくなっていったっていうことがあったなって。

ゆいぽん:  ライブの場なのに、とても大事で、とても繊細な話を出してくれてありがとう。
感情が上手く出せないって、すごく辛い・・。

なおさん:  当時は辛いとかよくわかんなかったんだよ。段々と気づいたのは30代に入ってからかな。人や組織をマネジメントする立場になって、いろんな人と関わる仕事をするようになってきてから、もう何が正しいのか、何が間違ってるのかよくわかんなくなってきて。。。

まさに関係性のど真ん中に立たされて、こっちを立てればあっちが立たなくなるし、 「お前どっちの味方なんだよ」と言われたり、「お前の本音がわからない」って言われたこともある。


その頃ちょうどね、前妻からも「あなたのどれが本当なのかがわかんない」みたいなことを言われて。自分もわかんないって思っていた時で、さまよっていた時代でした。

コーチングと出会って、最初の衝撃

ゆいぽん: そうなると、どこに自分の居場所を自分で置いていいのかっていうのが難しくなりますよね。

なおさん: そうそう。いろいろ悩んでいた時に、「コーチング」を学び始めたんですよ。

パーソナルコーチングのトレーニングを受けに行って、
いろいろ自分の悩みを一通り話したあとに、その時のコーチから

「あなたはどう思ってるの?」、「あなたはどうしたいの?」って聞かれたんですね。

聞かれてみて、「あれ・・・何を答えたらいいんだろう?」ってわかんなくて。

「あなたの気持ちは?」って、「気持ち?気持ちか・・・・・・・・・・・・」

みたいな。それが自分の中でけっこう衝撃で。

そこから、自分自身を探求するっていう旅が始まった感じかな。

ゆいぽん:コーチングの話になって一気にトーンが変わりましたね。

私からすると、なおさんには常に 「ゆいぽんはどうしたいの」「ゆいぽんはどう感じてるの」って、なんかもう100万回ぐらい、死ぬほど問い続けられてきたので。

まさかなおさんが、それを聞かれたことが人生で衝撃ですっていうのが、私にとっても衝撃です(笑)。

なおさん:  そうですね。自分自身もそこから、自分は本当はどうしたいのかなとか、どう思ってるのかなっていうのをすごく問い始めたんだよ。

感情をうまくコントロールできない怒ってる自分っていうのも、本当はどうしたかったのかな、どう思ってたのかなっていうのを何度も何度も自分に問うようになってきたんだ。

ゆいぽん:  うーん。なんか、そこが今日のテーマの「自分と生きる」みたいなところにすごく繋がってくる・・。

なおさん:  そうそう。自分自身の傾向として、例えば満たされてない時や我慢したりとかしてることが重なってくると、イライラしたり、けっこう怒りが出やすくなってるなと発見したりするんだよ。

日頃から自分がどう思っているのか、なぜそれを感じてるのかっていうのをちゃんと探求していくと、だんだんパターンがわかってきて、怒る回数が減ってきているなって感じています。

ただ、ここまでくるのに、12年かかってるんだよね。

いろんな自分を認めていく

ゆいぽん: この12年間でどんな変化があったんですか。

なおさん: 昔は自分を責める癖があって。何が起きても、結局自分の責任だと思うというか。でもそこには、自分や他人と向き合うことから逃げていた自分がいたんだと思います。

今は、システムが引き起こしたことなんだなって思えるようにもなった。まあ向き合いきれない時もあるんだけど、”向き合いきれない自分がいるんだな”みたいな感じで認めちゃう。

例えば、昔の怒ってた自分っていうのも、それが別にいいとか悪いとかじゃなくて・・・そのシステムによって怒りが出てきちゃったわけじゃない。その出方がうまくなかっただけかもしれないなっていう風に捉えて、認めていくっていうか。

いろんな自分がいることを認めていく、そうやって自分と向き合うことをやり続けた12年だったかなという気がするね。
 

ゆいぽん: 「認める」って、ポイントなのかもしれないですね。
どうして認めていけるようになったのですか?

なおさん:  そうですね。システムコーチとして立ち、ORSCのファカルティやり始めてからだと思うんですが、もったいないなって思い始めたんです。

孤独感を持っていたらダメとか、こんな自分は恥ずかしいとか、昔の自分は隠さないといけないみたいな感覚でいるのは。

そんな自分も全部使ってもいいんだ、むしろ使った方がいいんだ!っていうことが段々わかってきたんですよ。

他の人を見て、自分に気づく

なおさん:ORSCプログラムのワークショップでリードしていると、参加者の人がみんなの前で日頃は出さないような自分を少しだけ出すことで、その人自身が大きく変化していく姿を見たりすることがあるんです。

さらに、その変化した参加者の影響で参加者同士が影響を受け合って、別の人が変化したりして、全然違う場が生まれてきたりとかする。

そういう姿を見てると、自分自身をもっと出していいのかもって思ったり、自分を出すことで自分自身を発見することがあるんです。

ゆいぽん:  そうですよね。ワークショップの参加者が様々な自分を出しているのを外から目撃したからこそ、何が起きているのか見られたりとか。(※ゆいぽんはプロフェッショナル実践コースを受講中)

なおさん:そうそうそう。結局自分って何なんだって、自分だけを見つめていてもわかんないことが多いから。

システムコーチとして立っていると、一緒に立つファカルティーの仲間との関係性の中や、それこそシステムから自分の存在に気づくこともある。関係性って自分にも相手にも無限の可能性を生み出すことができるんだよな〜って感じる日々です。

ネイティブアメリカンが教えてくれた、自分という存在 

ゆいぽん:  なんか、これ聞いてもいいですか。結局、なおさんは何者なんですか(笑)

なおさん:  すごい問いだな・・・(苦笑)。自分が何者なのか?

あー・・・えっとね。1つ、すごく思ってることがあって。

自分っていう存在って、宇宙どこ探しても、1人しかいないと思うんですよ。

以前、ネイティブアメリカンの儀式に参加したことがあり、
その儀式の中で暗闇の大地の真ん中でぽつんと座ってた時に、すっごいたくさんの星が見えてきたんです。

わぁ、すごい星空だな・・・と思ってしばらく見ていたら、

その数だけ太陽みたいな恒星があって、その周りに惑星や衛星があって、そこには絶対生き物もいるよなって想像した時に、

自分っていう存在って過去にも未来にも、この宇宙中どこを探しても、今の自分しかいないんだなっていうことに気づいたんです。

※なおさんの実際の写真

その瞬間、「自分って一人なんだな」って実感して。雷に打たれたような感覚で、震えが止まらなくて、強い孤独感を感じてすごく寂しくて、すごく怖くなったんです。

でもしばらくすると、それを自分の中で受け入れざるを得ないんだなって思ってきて。

そして、多くの人がこの孤独感を抱えて生きているのかもしれないって。

その時、儀式を取り仕切ってくれていた現地の方から言われたことを今でもはっきり覚えていて。

――― 全ての人は「母なる大地」から生まれてきているんだって。

要はみんな同じ地球から生まれてきてる存在なんだっていうことを認識する必要性があって、
自分という存在は、地球の一部、地球のセンサーのような存在なんだって。

だから「地球や動植物はもちろん、様々なものと自分自身は繋がっているんだってことを思い出す」っていうことがすごい大事なんだけど、同時に僕の中ではまだ繋がることが怖い自分もいるんだよね。

繋がるとその関係が壊れるかもしれない、いつか終わってしまうかもしれないとかっていう感覚が生まれちゃうから。

ただ、「全てが繋がった状態が当たり前に感じられるようになったら、どんな可能性が生まれてくるのかな」っていうのは、探求したいって思ってるんですよ。それは自分が関係性を探求しているシステムコーチとして生きる時に大事にしてるところかな。

そして、だからこそ最近思っているのは、1番身近な人たちを本当に大事にしたいなって。身近な関係性では色々な苦い経験や失敗があったからこそ、そこから始めないと全てが始まらないんだなっていうこともリアルに感じていることですね。

そのことを教えてくれたのはCRRのメンバーだし、ま、それこそ、ゆいぽんがこのうちの会社でやってきてくれたからこそ、知れたこともあるし。すごく感謝していますって感じかな。

ゆいぽん:  なんか照れますね。こうなると思ってなかった(笑)。

なおさん:まあ改めて、ゆいぽん、「システムコーチとして生きる人々」、1年間お疲れ様でした。いや、本当によく頑張ったね!

ゆいぽん:ありがとうございます! すごく楽しかったです。
やっぱり、1人1人の世界観をかなりディープに覗かせてもらえるっていうのは、私の特権だったなと思うし、そこに終わりがないというか尽きることがないというか。

なおさん: そっか。この企画を通して「社会人3年目」として、何を学んだの?

ゆいぽん:まずはこれ、私がやりたいと思って手を上げた仕事だったので、やり通すっていうこと。これは自分の仕事だってはっきりと言えるというか。オーナーシップを持ってやったということかな。

なおさん: いいじゃん、いいじゃん。映像見ればわかるけど、この1年でだいぶ顔つきが変わったよね。
あ、コメントに1回目ゲストのまゆみさんが「変わってる!」って言ってるから、間違いないよ。

ゆいぽん:うれしい。1年間お付き合いいただきありがとうございました!