子どもが売られない世界を目指す/ORSCC 本木 恵介 

特定NPO法人 かものはしプロジェクト 創業者・理事長 / ORSCC 本木恵介 

ORSCとともに社会問題の解決を目指す
かものはしプロジェクト

私は2002年、学生の時に仲間と共にNPO法人かものはしプロジェクトを創業しました。そのミッションは子どもが売られない社会をつくること。そのために日本、カンボジアとインドで18年間、どうしたらそれが実現できるのか、もがき、考え、行動してきました。カンボジアでは、2010年前後から、売春宿に子どもが売られることが非常に少なくなっていきました。社会は自らを変え、変わっていく力があるのだということを確信しました。そして、そのためには、行政、裁判所、弁護士、被害者/サバイバー、学校、企業といったステークホルダーがエコシステムとして一つの系をなし、豊かになっていくことが大事だという事がわかりました。しかしながら、社会、あるいはシステムを育てることはいかにしてなしうるのかということはわからないままでした。同時に、活動していく中で、組織の中の問題も多くありました。私自身が「問題解決を推進する」という名の下に、スタッフを論破し、傷つけることも多々ありました。大きな社会のことを語り行動しながら、自分自身が人を傷つける。今思い出すだけで冷や汗です。

関係性という目に見えないものを扱う

そのようなときに、ORSCをはじめとするシステム系アプローチと出会いました。組織の中で起きていること、あるいは自分の中で起きていることは、社会の中で起きていることのフラクタル(相似形)だと考え、ORSCを中心に様々な考え方とその技術を取り入れ、事業を進めていきました。率直に言えば、私はORSC自体はまだ未完成なものだと理解しています。人間も社会もとても複雑なものであるから。でも、ORSCを通じて、関係性という目に見えないものを扱いながら、システム(自分、チーム、社会)を意図をもって育てていくことが少しずつできるようになりました。その意味で、人、組織、社会と共に生きようとする人にとってORSCは助けになることは間違いないです。

(2019年5月記載 / 写真提供:認定NPO法人かものはしプロジェクト)

※かものはしプロジェクトについて
https://www.kamonohashi-project.net/

※ORSCプログラムについて
https://crrglobaljapan.com/