立場や価値観の違いを越えてORSCC 番野智行

ORSCC 番野智行

NPO法人ETIC. ソーシャルイノベーション事業部 マネージャー/事業統括
ORSCC 番野智行

新卒でNPOへ

司法試験受験の断念と、2回の留年。人生のレールを外れそうになっていた時に、偶然の出会いから「社会起業家の支援を始めるので手伝わないか」という誘いを受けました。

社会を良くすることを仕事にする人が増えれば、世の中は変わるのではないか。確信があったわけではありませんが、面白そうだと思ったことを覚えています。

もうレールを外れているのだから前に進んでいこう。すぐにNPO法人ETIC.でのインターンシップを始めました。2000年の秋のことです。なんとか大学も卒業し、新卒で就職。その後5年間のコンサルティング会社での修行を挟み、現在も中心メンバーとして仕事を続けています。

仲間や支援者に恵まれ、20年が経ちました。これまでご一緒したリーダーの人数は500人を超えます。SDGsの普及をきっかけに、企業の社会的な取り組みを支援することも増えました。目指すゴールはまだまだ遠いですが、充実した日々を送っています。

NPOや社会的企業ならではの課題

ORSC®との出会いは2014年。

「組織から良い人材が辞めていく」
「同じテーマに取り組む団体同士の関係性が良くない」

順調に事業を成長させているように見える支援先の団体から、こうした悩みを聞くことが増えてきました。
思いのあるリーダーのもとに、共感した人材が集まることで活動のエネルギーが大きくなることは事実です。一方で、それぞれの思いが強いがゆえに、意見や価値観の衝突も簡単に起きます。自分の人生を賭けている人も多いので、簡単には妥協できないのも自然なことかもしれません。

50人近くになった自組織も同じ課題に悩んでいました。

この時に知人の薦めでORSCの基礎コースを受講しました。異なる価値観や思いを取り扱い、対立を越えて関係性や合意を作りだせる技術に出会い、衝撃を受けました。すぐに応用コースも一括で申し込みました。

立場や価値観の違いを越えて

2016年にORSCCの資格を取ってから5年が経ちます。

システムコーチング®の実践だけでなく、会議でのファシリテーションや、制度・ルールや仕組みづくりの場面でもORSCの知恵をフル活用しています。

社会的な活動が大きな成果につながるには、立場や価値観の違いを越えてビジョンを共有することと、関わる人や組織の多様性が強みとして活かされることが不可欠だと改めて実感しています。

最近は、貧困や虐待などの子どもの課題に、NPOや行政、企業、市民がマルチステークホルダーで取り組む活動(コレクティブ・インパクト)の支援をはじめました。

タイムライン

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休眠預金を活用したこの事業は、NPO法人かものはしプロジェクトとの協働事業です。共同代表の本木恵介さんとは世代も近く、以前からの知り合いだったのですが、2人ともORSCC(システムコーチ®資格保持者)だったことで、ビジョンや価値観をスムーズに共有できました。

新型コロナウイルスの感染拡大は、様々な社会課題を深刻化させています。一方で、「よりよい社会の実現に向けて力を合わせる必要がある」という強いメッセージが多くの人の心に届いていることも間違いありません。

多様な人や組織の参加がますます進む中で、ORSCの知恵が広っていくことを願っています。

ポーズをとる男女のグループ

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ETIC.とかものはしプロジェクトのチームメンバー。ORSCCが4人います。

※NPO法人ETIC.
https://www.etic.or.jp/

※子どもの未来のための協働促進助成事業
https://www.etic.or.jp/


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